小鹿田焼・坂本茂木さんの粗トビカンナ茶漬碗
昨年ぎりぎりで小鹿田焼・坂本茂木さんの窯と二人組の共同窯(坂本一雄、浩二父子,柳瀬朝夫)が開き、初荷で入荷しました。 1月は沖縄の窯出し新着品展示中でしたので、時期をずらして2月1日より「小鹿田窯初荷展」として板の間ギャラリーで並べます。 もうかなり以前のことでしたが坂本茂木さんがある人から、茶漬け碗を抹茶碗としても使える形で作って欲しいと依頼されたものを窯出で見つけ、自分用にと分けてもらったことがあります。使い勝手もいいしなんと言ってもその形と粗めに入れたトビカンナのバランスが偶然とはいえ絶妙で,大切な器として時折来客用に使います。 昨年夏、手仕事フォーラムの仲間が集まり、近所の紅茶の店「ブンブン」での昼食に、この茶漬碗を使って小丼物をお願いしました。メニューにない創作の洋風カツ丼でしたが器にぴったりで、皆から是非にも同じ茶漬碗を欲しいと懇願されてしまい、茂木さんに伝えて、この度の窯でようやく再興され入荷しました。 見本を送って作ってもらったので、現物に近いものできあがり写真を載せます。 茂木さんのトビカンナの勢いは相変わらずで、活力のある生き生きした文様が器全体を引き締め、使うことはもとより展示しても美しい形の逸品と推薦する次第です。 尚、碗の形は腰部分がふくらませているので重ね焼きの場合、高台輪を高く積み上げるよう「ハマ」と呼ばれる共土(ともつち)で作った円盤をのせます。したがって数量が多く重ねられず、窯の炎で変形すると器同士の接合も生じるので、頼んだ数の4割程度しか焼き上がりません。今回は残念ながらわずかな量でしたが、今後の窯には注文を継続していくので、この度売り切れてもご安心ください。 この茶漬碗のみならず、トビカンナをとりわけ得意とする茂木さんのその他のものも皆焼きあがりがよく、キビ藁で作った刷毛で白土を刷毛引きした丼も徳利も、強い焼き上がりなのでより一層美しく、見応えがあります。 また昔の肥前で作られた鉢も再現してもらいました。8寸、7寸、6寸とあります。
展示会の様子
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