益子焼は一般に、渋めで地味な色調が特徴です。しかし粕谷さんが使う糠白釉は、その益子で昔から用いられてきた釉薬を工夫し、やや青味がかったまるで雪のように美しい白色を呈します。その「粕谷白釉」といってもよい気品のある清潔でモダンな色合いは、現代の暮らしに用いる格好の器として、私共は推薦いたします。また最近では新たな境地として、益子焼を代表してきた地元の芦沼土(黒釉)との掛け合わせや、鎬(しのぎ)、面取(めんとり)などの技法にも意欲的に取り組んでいます。粕谷さんの温かな人柄を感じさせる日常使いの器の会です。どうぞお花見がてら、ご高覧くださいませ。

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