2005年3月18日 沖縄県読谷村北窯
朝降っていたにわか雨も、10時頃にはあがり、蒸し暑くなってきました。 天気予報によると、今日は沖縄は25度まで気温が上がるそうです。 気を入れて窯出しに望まなければと思いました。
窯出しの様子を写したかったので、特別許可をもらい、少しの間邪魔にならないように見学させていだだきました。
窯出しは。製作の最後の仕上げを見るので、皆真剣なのです。 本当は製作者以外は入れません。 まだ熱の残る窯の中やその付近では、窯の人々が汗をかきながら焼き物を出してゆきます。
北窯の工房の赤瓦とシーサー(屋根獅子)後ろに見えるのが北窯の登り窯 お弟子さん達が、窯出しをしながら今回のものの出来について真剣に話し合っています。 親方から「早く出せ!」と厳しい声が飛んでいました。
松田共司さん。窯出しが全て終わり、穏やかな表情をされています。
次々と出てくる陶器達。沖縄らしい唐草文様、点打、筒描き・・と、注文したものから一つ一つ手に取って見ながら選んでゆきます。
窯出しの整理も終わり、松田共司さんと宮城さんの工房でそれぞれが作られた器に盛られた料理をごちそうになりながら。沖縄の焼きものの話やご自身の修業時代の話を伺いました。
「土づくりや登り窯焚きを手作業中心でやってゆくのは大変なことかもしれないけれども、出来上がってくるものの雰囲気や風合い、形などを見ると手仕事でつくられて登り窯で焼かれたものの方がなんとも言えず美しいと思う。それをこの器はいいね、と使い手の人達が喜んで使ってくれれば嬉しい。機械に全て頼ったり、ガス窯で焼けば楽だけれども、出来たものが全然違ってくるからこれで続けてゆきます。それに全ての手作業や力仕事も昔の長い修業時代に比べれば(宮城さんは山田真萬さんの工房、松田さんは大嶺実清さんの工房で弟子として、厳しい修行を積んでいる)今の弟子達は楽だと思う、(今は土を練るのに土練機を使うが、昔は全て足で踏んで練っていた、等)」と言って笑っていました。
皆さんの作る焼き物が美しく、安心して使える形をしているのは、長い経験とこだわりにも理由があるのですね。 どうか、これからも沖縄らしい美しい焼き物を作り続けて下さい。 今回も親切にして下さってありがとうございました。
恩納村照屋窯のもの
窯出しの途中で、近くの読谷の森に散歩に行きました。沖縄独特の植物が陽差しを浴びて活き活きとしています。
宮城さん。なにか真剣に書き留めている様子。周りの自然に溶け込んでいるのが素敵です。(写真右)
北窯の隣にある南窯では窯焚きをしていました。このような光景を見られて幸運です。
ここでは一部しかお見せできませんが、今回の北窯の窯出しのものや、その他の沖縄の窯のものが。3月26〜4月11日までの「春の沖縄展」でもやい工藝に並びます。
沖縄の作り手達の作った美しくて多彩で確かな仕事を見にいらっしゃいませんか。
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