沖縄読谷北窯 宮城正享さんのちょっとおもしろい小物
読谷北窯の宮城さんの窯出しは、いつも冷や冷やの汗が出る光景に出会います。
隣のやちむんの共同窯 山田真萬工房での職人時代、彼の作る粗野ながらも元気はつらつなロクロ仕事は、山田さんの奔放で豪快な筆致で描く文様やぶつけてしまったかのような、釉薬掛けと重なり、大変魅力的な沖縄の底力を感じさせるものでした。 その後四人で北窯を設けてからも元気な仕事振りは相変わらずでした。 しかし焼き物は焼成されて窯出しが勝負です。 強い焼きを好む宮城さんの性格から焼き過ぎが目立ちます。窯炊き時間のゆとり不足から釉薬の融け不足もかなり出ています。窯出しでちょっと落ち込む彼の姿を見るのは辛く、何とか力を差しのべたい気持ながら専門でない悲しさ、黙って欲しいものを選ぶしかありません。 好人物で細かい気遣いの持ち主、お弟子さん達も皆慕っています。 今度の窯出しでは、通常の器以外にこんな小品がありました。 こちらの注文外でしたが、何となく宮城さんらしさを表現しているような、ちょっと粗雑ながらも愛くるしい品々。何か元気をもらえそうです。
左から、三彩の色挿しと線彫りの長フリーコップ、白土のイッチンで唐草文様を描いたフリーカップ、醤油注し、アイスクリーム入れ、彼の好む藍唐草紋のアイスクリーム入れです。
北窯の様子はこちらにも 仕入れ日記 2004年10月15日 |