益子焼・粕谷完二さんの食器

　東日本を代表する焼物産地といえば益子焼。関東地方各地で見かける機会も多く、民芸品店に置かれる陶器の中でも、その占める割合は多い。
著名な作家作品、その作家工房製品や個人的工人の作品的日常品も、あちこちで見られる為、私共もやい工藝はどちらかというと、敬遠してきた窯場の一つでもあります。
　粕谷完二さんとは十年ほど前、日本民藝館展の出品者として知り合いになり、製作協力や公募展出品の協力などを続けてきています。
益子の陶土にお米の籾殻を焼いた灰をベースにした釉薬、糠白釉（ぬかじろゆう）が製品の主力となっています。
厚手の器物にたっぷりと施釉して還元炎焼成(不完全燃焼)させると、やや青みがかった白釉が生じ、あふれんばかりの雪のように覆いつくし、見た目にも美しく温かみのある焼物となります。
一般に渋めで地味な益子焼と比較して、品のある白の調子は現代的な風合いでもあり、今に暮らしには恰好な器として推薦いたします。